応用分野
内部発熱の自己抑制による高安定性コロイド量子ドット
レーザー材料の開発
受賞業績
コロイド量子ドットは、溶液プロセスによる優れた製造性と高い波長制御性を備えた次世代の光利得媒質として注目されている。しかし、レーザー動作中に生じるオージェ再結合や高エネルギーキャリアの緩和に伴う局所的な内部発熱は、デバイスおよび材料に不可逆的な損傷を与える大きな課題となっている。本研究は、このようなエネルギー損失を材料レベルで制御することを目指している。
咸東孝教授は、量子ドット内部のエキシトンダイナミクスを制御することで、発熱を根本的に抑制する高安定性コロイド量子ドットレーザー材料の開発に取り組んでいる。振動子強度の異なる二つのエキシトン状態を協調的に設計することにより、発熱そのものを低減するとともに、蓄積状態が吸収した格子熱を利得発光とともに光子として放出する「熱回収サイクル」の実現を目指している。
本研究は、従来は除去すべき対象と考えられていた熱を回収可能なエネルギー資源として活用するという、新しい発光材料設計のパラダイムを提示するものである。また、その実現に向けたエキシトンダイナミクス制御というアプローチも極めて独創性が高く、発光材料全般に応用可能な熱マネジメント原理へと発展し得る学術的波及効果の大きい研究として期待されている。
Message
私たちの研究は 「善循環」である