基礎分野

空間芳香族性を基盤とする多重酸化・還元状態
典型元素化合物の設計及び触媒応用

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洪承尹 教授

受賞業績

現在、有機合成の中核を担う遷移金属(Transition Metal)触媒は、資源埋蔵量の制約、高コスト、金属汚染といった課題を抱えており、その持続可能性に限界がある。一方、代替材料として注目される豊富な典型元素は、遷移金属とは異なって多様な酸化状態へのアクセスが困難であり、さらに2電子酸化過程で生成する高酸化状態種が極めて不安定であるため、多電子型触媒としての実用化は未開拓の研究領域として残されている。
 

洪承尹教授は、これらの課題を解決するため、空間芳香族性を活用した多重酸化還元型典型元素触媒システムの開発に取り組んでいる。これにより、遷移金属の代表的な反応性である二電子あるいは多電子酸化還元触媒反応を典型元素によって実現し、持続可能な分子触媒プラットフォームの構築を目指している。
 

本研究は、隣接する化学結合ではなく、軌道間の空間的相互作用を利用することで、典型元素に遷移金属のような多重酸化状態の特性を付与する独創的な発想に基づいている。化学結合に依存しない新たな電子構造を基盤として触媒反応性を創出することであり、概念的に新しい有機触媒化学のパラダイムを構築するものと期待されている。

Message
私たちの研究は 「破天荒」である
化学者の想像力は、長らく周期表に存在する元素に縛られてきました。
本研究は、複数の原子の協働作用によって、既存の元素にはない酸化還元特性を持つ
「分子型元素」を設計する試みです。
個々の原子の反応性にとどまっていた合成化学の視点を分子レベルへと拡張し、
新たな触媒プラットフォームの開拓を目指します。
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