金相奎教授は、分子分光学および反応動力学の分野において独創的かつ先導的な研究を継続的に推進し、韓国における実験物理化学を世界水準へと発展させるうえで多大な貢献を果たしてきた。
金教授の研究室では、独自の実験装置および研究手法を自ら開発・構築し、従来の手法ではアプローチが困難であった化学反応の微視的動力学に関する新たな研究領域を継続的に切り拓いてきた。
特に、化学反応の量子力学的理解における重要概念である「円錐交差(Conical Intersection)」について、その多次元構造と非断熱動力学における役割を実験的に解明するという重要な成果を挙げている。これらの研究成果は、多くの海外の著名な専門書で紹介されるなど、国際的にも高い学術的価値が認められている。また、円錐交差点近傍で競合する異なる前期解離反応経路を実験的に分離観測することに成功し、円錐交差における非断熱反応動力学の解明に新たな道を切り開いた。さらに、陰イオン研究を超高速動力学の領域へと拡張し、過剰電子が分子構造反応性に及ぼす影響を明らかにすることで、新たな陰イオン反応動力学の研究分野を開拓している。
金教授の学術的業績と国際的な影響力は、多数の主要国際学会における招待講演、国際学術誌の編集委員(Editorial Board Member)、さらには国際会議の組織委員としての活発な活動にも表れている。近年では、分子科学分野において長い伝統と高い権威を有する Morino Lectureship に選出され、これまでの卓越した研究業績と国際的貢献が改めて高く評価された。